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東京学芸大学の教授の著書です
★★★★☆
2007-07-30
八重洲ブックセンターをブラウジングしていた時にであった。
両前足にあごをのせた愛らしい表情の柴犬が表紙の文庫本。解説にあるとおり、「パラサイトシングルの時代」やその他多くの著書で著名な先生がかいた本。社会学的アプローチによる教育論が本業のようにお見受けするが、本書もそのすじからはずれてはいない。
教授自身がペットに没頭されているわけではないが、家族でまりという名の猫をかっておられるとのこと(写真は220頁)。毎朝まりが先生を起こしてくれるという。(あとがき参照してください)
218頁にに「・・・子どもにお金をかけるのなら、ペットにかけたほうがはるかにいい。なぜなら、ペットはもともと自立しないことを前提につくられた存在だからである。どうせお金をかけて絆を確認するのなら、未婚の自分の子どもにお金をかけてスポイルするより、ペットにかけてほしい」
とある。多くを示唆する名言であると思う。
ペット愛好家は両極端化しつつある。ペットの病気治療のためにマンションをてばなすカップルが
いる一方、いらなくなったおもちゃをすてるように扱う元愛好家もすくなくない。
本文には写真入りでさまざまなケースが描かれている。なかなかユニークな本である。
ペットを飼っている人、これから飼おうかなと思案中の方、よろしければ手にとってみてください。
家庭社会学に見るペットの存在意義
★★★★★
2007-06-14
現代は家族の形が昔とは変化している。少子高齢化、核家族化、自立しない子供(パラサイトシングルやニートや)の増加。大家族で住み、より豊かな生活を求めて家族のひとりひとりが重要な労働力であった時代はもう遠くなった。物質的な豊かさは手に入れたものの、昔のような充実感は薄れているのではないだろうか。その心理的な物足りなさを埋めてくれるのがペットの存在だ。
9人の飼い主にペットについてインタビューを行い、それをケーススタディとしてまとめた本。あるサラリーマンにとって犬は健全で、かつ大威張りで連れ歩ける愛人であり、ある主婦にとって猫は巣立ってしまった子供の代わりである。相手が人間の家族であっても、気を遣ったり親や子供という役割を演じたりしなければならないことも多いけれど、ペットが相手だと「素」の自分でいられる。そこに自分らしさを見つけて安らぐケースも多い。
子供のいない夫婦の、普通ならギクシャクしてしまう長すぎる2人きりの時間にすんなり入り込むペットたち。とかく地域社会に溶け込めない働き盛りの男性を、地域のコミュニティにすんなり入るチャンスを与えてくれるのは犬の散歩だったりもする。(乳幼児なら公園デビューのようなもの)「先に死んでしまうじゃないか」と思う向きもあるだろうが、犬や猫の寿命は長すぎず短すぎず、ちょうどよいのだそうだ。なによりもペットと暮らすことで、「必要とされている自分」を認識できる。だからペットは家族なのだと。
そのほかにもペット産業についてのコラムが収録されていて興味深い。
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